2007/01/12

『硫黄島からの手紙』

クリント・イーストウッド監督、スティーブン・スピルバーグ製作の『硫黄島からの手紙』見てきました。

『父親たちの星条旗』に続く硫黄島2部作の『硫黄島からの手紙』
『父親たちの星条旗』がアメリカ側から見た硫黄島の戦いを描いたのに対し、『硫黄島からの手紙』は日本側から見た硫黄島の戦いを描いたもの。日本側から見た戦争をクリント・イーストウッドがどのように表現するのか、非常に気になるところでした。

硫黄島の戦いは、昭和20年2月16日から36日間にわたって繰り広げられた日米の攻防戦。
本土への攻撃の中継点としたアメリカ軍とそれを阻止するために島を死守する日本軍。

圧倒的な戦力差の中、日本軍を率いた栗林中将。
米国留学経験を持つ栗林は、それまでの場当たり的な作戦を変更し、理不尽な体罰を戒める。留学経験からどのようにすればアメリカと戦えるか、本土を長い期間守るために硫黄島で戦うか、圧倒的な戦力差を知略を持って迎え撃つ。
栗林を理解する、ロサンゼルスオリンピックで馬術金メダリストのバロン西。
知略に反抗し玉砕を貫こうとする伊藤中尉ほか、栗林に反対する古参将校。
それにまだわが子を抱いたことのない西郷をはじめとする日本兵。

地下壕を掘り進め、そこから米軍を迎え撃つ・・・栗林の奇策
お国のために死ぬことは名誉であった戦時下において、本土、そして本土にいる家族を守るべく、自決・死を禁じ、一日でも長く戦い抜くことを命じる。
退却して生き延びるくらいなら、誇りある軍人として自決せよと信じぬき、退却してきた兵を切ろうとする伊藤中尉と退却命令を出し伊藤中尉から兵を守る栗林中尉。
負傷した米兵を看取るバロン西。その看取られた米兵の持っていた家族からの手紙で戦いに対する気持ちが揺らぎだす元憲兵。

そんな硫黄島の戦い、唯一米兵の死傷者数が日本軍のそれを上回った戦いを日本側から表現したこの映画にホントにのめりこんでしまいました。

映画を見たあといろいろと調べてみると、硫黄島ではいまだ約13,000の遺骨が未回収のままであり、現在の滑走路は日本兵の死体を埋めた上に作られているとのこと。また、1,000以上の日本兵の頭蓋骨が米兵によって”お土産”として米本国に持ち去られ、灰皿やペン皿に加工されて使用されているものもあるらしい。硫黄島にはいまだに帰れぬ魂が眠っているんですね。

でも、よくよく考えてみると硫黄島や戦艦大和のように大きく取り上げられる戦争・戦死もあるんですが、それ以上に多くの取り上げられない戦死があるんですよね。自分の祖父も戦死してるんで、会ったことないんですよね。どんなことがあっても悲惨な戦争をもうしてはいけない・・・。

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